Le Chèvrefeuille

世界は遊覧、思い出の場所であり、われらは去りゆく者

メキシコ(3) チョルーラ

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チョルーラ観光

プエブラへ戻り、キンタレアル・プエブラ

 

本日はチョルーラにちょっとしたエクスカーションに行くことにする。

チョルーラはスペイン征服以前は紀元前からあるピラミッドを主体とした大きな祭祀センターであったようだが、スペイン人はこの町に到達するなり彼らを歓迎した先住民3000人を虐殺し、彼らの神殿を破壊し、その上に教会を築いた。まあいかにも独善的で短絡的で利己的で残虐なヨーロッパ人のやりそうなことである。ピラミッドの上に乗った教会は、大変特徴的な景観だそうだ。それ以外に特に見所はなさそうだが、少し足を伸ばすのにちょうど良いし、体調がいいわけでもないのでまあ行ってみることにしよう。

朝のキンタレアル・プエブラ

旅行会社がホテルの予約を食事なしにしていたが、朝ごはんを食べられる店を探すというのは案外手間であるし、美味しい朝食にありつける場所というのは貴重である。昨日朝食についてフロントに相談したところ、レストランの職員に聞くようにとのことだったので、ビュッフェを頼みたいと言ったところ、240ペソとのことであった。

朝食を出しているレストランはホテル入口を入って正面にある大きなパティオに面している。選べる種類は昨日のカミノレアルと比較すると少ないものの、味自体は良い。体の調子が悪いのでジュースと果物が美味しく感じる。ここのスタッフであるEliceoという男性が「コーヒーはいらないか?」「ミルクはいるか?」「スクランブルエッグはどうだ?」などという調子で大変親切に対応してくださり、心強かった。

ホテルのレストラン

さて、朝9時にUberでタクシーを呼びチョルーラへ向かう。チョルーラとプエブラは隣接しており同じ平原上にあるので、景色はそれほど変わり映えしない。20分ほどでチョルーラのピラミッドのそばに到着した。街の雰囲気は静かで、プエブラと比べると着の身着のままといった感じで素朴である。ピラミッドにつけられた道を登り、頂上の教会へ向かう。メスティーソ・白人の人種を問わず地元の人がランニングコースに利用しており、人々の生活に溶け込んでいるようだ。教会の中ではランニングにきた人がチャペルチェアに座ってじっと瞑想をしていた。メキシコ人は大変信心深いらしい。

ピラミッド上の教会へ

 

教会の内部

頂上の教会広場からは大変景色がよく、ポポカテペトルやイスタシワトル、プエブラの象徴マリンチェ山をはじめとした山々が大きく望める。なんだかポコポコと小さい爆発音が時折聞こえ、何かと思ったところポポカテペトルが噴煙を上げており、その噴火音だったらしい。大きな火山に抱かれた小さな町、それがチョルーラである。

マリンチェ山方面

チョルーラ市街

噴煙を上げるポポカテペトル



来た道とは異なる道でピラミッドを降りていくと、右手の斜面に一部修復されたかつてのピラミッドの遺構が見えてきた。立派なウチワサボテンなどが生えており、風情がある。このピラミッドには内部に通路があり入ることができるそうだが、残念ながら日月は休館日だそうで、入り口は閉ざされており、入ることはできなかった。

ピラミッドの上に教会が建つ様子は、先住民の信仰を破壊しキリスト教で上書きしてきたメキシコの歴史の象徴のようだ

チョルーラの市街地はプエブラを小ぶりにしたような雰囲気で、落ち着いてはいるもののこれといった見どころもない。11時ごろにやることがなくなってしまい、体調が悪いので昼ごはんを食べる気も起きず、Uberを拾って帰ることにした。

チョルーラ市街

帰ると部屋のカードキーを受け取り、速攻で部屋へ。

腹痛と下痢がひどく、この体調だとかなり熱もあるだろう。かつて海外旅行に行くと帰宅後に大体発熱したものだが、まだ始まったばかりである。自分の免疫力も下がったものだ。とにかく物を食べたり街歩きできる体調ではなく、午後から夜にかけて、ひたすら寝ることにした。寝汗が酷く寒気もする。これはやばいかもしれないなあと思いつつ、次の日より回復することを祈って絶食と水分摂取を行い、ひたすら寝た。