Le Chèvrefeuille

世界は遊覧、思い出の場所であり、われらは去りゆく者

ウズベキスタン(5) 青の都へ

11/3

AMブハラ観光

 

1550ブハラ駅

↓Afrosiab号で移動

1720サマルカンド

ホテル・ビビハニム泊

 

本日は午前中はブハラを観光し、午後はブハラからサマルカンドへ移動する日である。

午後はスペインの技術供与によって完成したという高速鉄道Afrosiab号に乗ってブハラ駅から移動。サマルカンドでは簡単に観光し、翌日のシャフリサブズへのエクスカーションに備えることにする。とはいえどもブハラは昨日おおむね観光し終わっている。本日はブハラのバザールでの買い物に専念することにした。

ホテルで朝食をとっていると、いかにもロシアのおばさんといった風情の女性と、例の何人かの恰幅の良い男性がやってきた。彼らは先述の通り元テニス選手なのだそうだ。朝食はビュッフェ形式となっており、なかなかおいしかった。

ホテルの地下にあるレストラン。今日は快晴である

やや雲の多かった昨日とは打って変わり、本日は快晴である。土色の町並みはやはり抜けるような青空の下で最も美しい。

快晴に映える土色の町並みが美しい

カラーン・ミナレット。精緻な模様

リャビハウズに戻り、池のほとりのレストランでプロフを食べることにする。こちらもなかなか美味なのだが、残念ながらチャイハナ・チナルには味でやや劣るように感じる。ゆったりとしたリズムのローカルな音楽が大音量で流された町で快晴の中、少し紅葉の始まった街路樹、池の水の緑色と噴水が美しい。

リャビハウズの美しい景色。本日の昼もまたプロフである

再びバザールに戻って、最後に何か良いものがないかを見て回る。真鍮製の皿にカラーのエナメルで装飾を施したものがよいなと思い、これが売っている店に入ってみる。皿にはاللهとかمحمدとか、イスラームに関する文字が刻まれたものが多く売っており大変趣がある。装飾のエナメルも白や青緑、濃い緑などたくさんあるが、自分は بسم الله الرحمن الرحيم(慈悲深くあまねきアッラーの名のもとに)と書かれ、くすんだ深緑で装飾のされた皿を買うことにした。この皿は非常に装飾の手が込んでおり、店のmasterがきざんだものだという。納得の出来栄えである。こちらのお皿は店員の少年が90ドルを提示してきたが、75ドルで交渉成立。皿立ても無料でつけてくれた。いい買い物をしたと思ったらもうホテルにお迎えが来るぎりぎりの時間になってしまった。危ない危ない。

時間ギリギリまでお迎えが来なかったので少し心配していたが、時間ちょうどになると無口なひげのおじさんがやってきて、ブハラ駅まで送ってくれた。エミールは広場で休憩しているといつもお茶を出してくれて、とても居心地の良い宿だった。2日間ありがとうございました。

ブハラ駅に到着

ほどなくブハラ駅に至る。ブハラ駅は大きくて大変無機質な構造物である。改札を入ってアフラシャブ号に乗り込む。こちらはスペインの技術供与を得て作られた高速鉄道で、タルゴ型の客車となっている。かつては駅構内は写真撮影禁止だったようだが、現在は可能であるらしく、バシャバシャやらせていただきました。

アフラシャブ号
アフラシャブ号

椅子はやや薄っぺらいが、ナヴォイとカッタクルガンに停車したのち、2時間もかからずしてサマルカンドに到着した。

到着して駅構内を出るとまたすごい勢いでタクシーの客引きがされているのが見えるが、本日はサマルカンドにもドライバーがいるというので徹底的に無視して、ドライバーのいるところに向かう。幸いドライバーは自分の名前をプレートに掲載して待ってくれており、迷うことはなかった。ホテルに着くともう夜になっている。

ホテルのロビーでバウチャーを見せるが、どうも反応がおかしい。どうやら手違いで予約が取れていなかったようだ。さすがに追い出されると困ったことになってしまうが…なんとか1室空いていたようで、過ごす宿がない状況になることはまぬかれたが、残念ながら景色の良い2階の部屋ではなく、寒々しい1階の部屋になってしまった。残念。

さて、荷物を置いてシャーヒズィンダ廟群に向かう。サマルカンドに限らず、ウズベキスタンは夜でも大変治安が良く、街歩きで危険を感じることはほとんどない。15分程度ホテルから歩くと、大木の散在するシャーヒズィンダ廟群の趣ある入口が現れた。夜遅いのだがドッピを被った門番がおり、暇を持て余していたのか簡単に廟の説明をしてくれた。

夜のシャーヒズィンダ廟への階段

こちらの廟群は10世紀のクサム・イブン・アッバース廟の周囲に多数の小さな廟が並んでできたもので、だれを祀っているのかわからない建築も多い。簡単にライトアップされた青いタイルの建築は陰影が強く浮かび上がり、廟のタイルの手作り感を一層醸し出している。やはりこの手作り感こそが、ウズベキスタンとイランの建築の大きな違いなのではないかと思わされる。

天井の装飾は廟ごとに異なり、手作り感も相まってとてもかわいらしい

この時間になるとすでに廟に見学に来る人はゼロである。完全に独り占めになった廟の写真を、たくさん撮影した。

この日は夜でも暖かく、次の日に打って変わって極寒が訪れるとは想像だにしていなかったが、宿に戻って天気予報を見て絶句した。

なおこちらがこの日までのバザールの戦利品。ブハラでまたたくさんのお土産を買ってしまった。ヒヴァで買ったおみやげは手作り感があり、ブハラのもの(クリスマス飾り?、真鍮の皿、木彫りの皿、スザニ)の方が全体的に洗練されていることがわかるだろう。買い物はイスラム諸国における旅行の楽しみの一つである。

背景にスザニ、左から木彫りの皿、中央上はヒヴァで買った木の箱、中央下はクリスマス飾り、右は真鍮製の皿。

明日が冷え込むという予報がやや心配だが、シャフリサブズへのエクスカーションを楽しみに、この日は寝ることにする。