Le Chèvrefeuille

世界は遊覧、思い出の場所であり、われらは去りゆく者

パタゴニア(11) プエルトイグアスへ

2/7

0900 ミヤザトイン発

AR1968 1130FTE 1610AEP

ブエノスアイレス、ホルヘ・ニューベリー空港で乗り継ぎ

AR1740 1850AEP 2040IGR

バスにてホテルへ移動

Rincon Escondido B&B

 

この日はほぼ移動のみでそれほど内容がない記事になりそうだが、一応記録を残しておくことにする。

朝起きると、どうも胃が痛い。思いあたる節としては昨日夕食がかなり遅かったこと。そのまま寝てしまったため逆流性食道炎のような感じになってしまったのだろうか。まあ大丈夫だろう。本日は朝に余裕があるため、ゆったりと朝食とパンケーキをいただいた。ミヤザトインとその女将さんには色々ご迷惑をかけたが大変お世話になった。お店の情報から金銭の支払いまで彼女の理解とサポートが大変ありがたかったと思う。朝8時半ごろになると女将さんは市街に出てしまい、いるのは日本語を話せない掃除スタッフの女性のみになってしまったが、ドライバーがやってくると彼女が送り出してくれた。

9時ちょうどにドライバーはやってきた。空港へ向かう。

ドライバーに「スペイン語は話せるか?」と聞かれたので、「ほんの少し」と答えるとスペイン語で色々聞かれたが早速分からず。最初から英語で良かったのではと思わなくもないが、まあ良い。

空港へ向かう

エルカラファテの空港も小規模なものだが、お土産が充実している。しかしながらお土産店で売っていたマグネットはただ写真を貼り付けただけのものが多く、そのほかのお土産もこの地域の特産品というほどではなかった。現金も少ないので結局買わないことにした。

エルカラファテ空港

本日の飛行機はエルカラファテを出るとブエノスアイレスに直行するのだと思っていたがそうではなく、バリローチェを経由するらしい。エルカラファテは飛行機の運用上はパタゴニアの要所になっており、ウシュアイアやブエノスアイレスだけでなく、コルドバやバリローチェなど様々なところへ便が出ている。ここエルカラファテはウシュアイアと違ってあまり地元の人々の生活感がなかったので私は正直好きになれなかったが、観光客は多いようだ。バリローチェといえばアンデス山脈麓のリゾート地で、プエルトバラスからバリローチェへ抜ける道は絶景の連続ということで有名だ。どうせチリにはマプーチェ族の足跡をたどるために再訪しなければならないので、その際に一緒に訪れてみたい場所の一つである。

1時間半ほどのフライトで、大きな湖が見えてくる。ほどなくバリローチェに到着。多くの乗客はここで降りていくが、10人程度は飛行機に残り、再度ブエノスアイレスへの出発を待つ。バリローチェからの乗客が乗り込み、再び飛行機はブエノスアイレスへ出発した。このフライトでは軽食とドリンクが提供された。

バリローチェの湖。いつかここも訪れたい

ウトウトしていると次第に飛行機が高度を下げていくのがわかった。窓の外を眺めると区画の整理された都会である。ブエノスアイレス市街の上空を飛んでいるようだ。ヨーロッパの街並みのような整然さは無いものの、赤い屋根と白い壁、そして緑色の木々のコントラストはそれなりに美しい。ほう、これが地球の(ほぼ)反対側の大都市、ブエノスアイレスか。ホルヘ・ニューベリー空港は市街に近接した場所にあり、程なくして空港に到着。

整然とした区画のブエノスアイレス市街

空港に到着し、職員に尋ねると一度ゲートを出て再度入り直すように指示された。言われた通りにする。ホルヘ・ニューベリー空港はガラス張りで市街の様子がよく見える。たくさん止まっているタクシー、整然とした街並み、人の多い通り。サンティアゴよりもよほど雰囲気が良さそうに見える。空港はゲートの外にも中にも食堂はたくさんあったが、胃の調子が悪かったので食事をパスした。2時間ほど待ち、プエルトイグアスへ向かう次の飛行機へ乗り込んだ。

時は夕暮れ。次第にオレンジ色を帯びた太陽が、ラプラタ川河口の海を照らしている。その奥には蛇行する大きな川が見える。この便に限らずアルゼンチン航空の飛行機は全体的にシートピッチに余裕があり、かなり快適だ。こちらもウトウトしていると、外は真っ暗になっていた。

 

アルゼンチンでもイグアスの滝のあるミシオネス州はほぼ森林に覆われており、市街はまばらである(なお、川を挟んで対岸側のブラジルは森林破壊が著しくほぼ畑にされている。Google Mapなどで航空写真を見ると、チリ側とアルゼンチン側で自然利用が全く異なることがわかる)。窓の外には時折小さな市街の明かりが見える。次第に飛行機が高度を下げていく。川を挟んで大きな市街と電灯に照らされた橋が見える。あれはおそらくプエルトイグアスとブラジル側の市街フォス・ド・イグアス、そして国境橋だろう。程なくして、飛行機は空港に滑り込んだ。

 

空港で荷物をピックアップ後空港を出た。辺りの空気はエルカラファテやウシュアイアのそれとは想像もつかないような熱気を帯びており、自分が亜熱帯に来たことを痛感する。数日前にGetYourGuideで手配していたバスに乗り込んだ。バスに空予約があったらしく、しばらく人を待っていたが、10分ほど待っても来ないので出発。このバスに乗り込んだのは本日宿泊するRincon Escondidoのマネージャーのおばさんと、ひたすらSNSで何かを書き込んでは写真を撮っているアジア系の女性だけだった。電灯のほとんどないジャングルの中を、ノリノリの音楽を流しながらバスはいく。しばらくするとぽつりぽつりと民家が現れた。全体的にオレンジ色の電灯を使い、熱帯ながらおしゃれな雰囲気だ。程なくして本日の宿の前でマネージャーのおばさんと共に、バスを降りた。

出迎えてくれたおじさんはRincon Escondidoの主人。この宿は門からしてすでにおしゃれである。敷地内にはプールや離れなどがあり、庭にはバナナなどの熱帯の木がたくさん植えられており、おしゃれな雰囲気が漂う。植えられている植物としてはかつてのメキシコのメリダで泊まったホテル、Hotel Meridaに近いが、こちらの方が圧倒的におしゃれだ。

 

食堂に案内され、宿の説明を聞く。市街のどこで食事ができるかというのも教えてくれた(けれども、残念ながらもう夜遅いのですぐに寝たい。出歩くことはないだろう)。明日のピックアップの時間を聞かれたので7時だと答えると、「それはガイドが嘘をついているのではないか?大抵は7時半か8時だ」などというので7時と言われていると説明。それでもいまいち納得せず、ガイドの連絡先を教えて直接連絡を取ってもらうことにした。謎。

さて、この宿は室内も素晴らしい。

必要十分な広さ、アンティーク調でおしゃれな調度品。とても90ドルのクオリティと思えない。1泊200ドル程度したウシュアイアや、1泊100ドルを超えたエルカラファテよりもクオリティとしては上である。何よりも宿がとてもフォトジェニックで、大変テンションが上がる。やはり旅行の滞在時間の大部分はホテル。必要とあらばカネに糸目をつけないことも大事だが、この値段でこの質の宿に出会うと唸らされるものがある。地域柄蚊が多いのが唯一かつ最大の欠点であり、数箇所刺されてしまった(プエルトイグアスは黄熱病発生地域である。行かれる際は黄熱病のワクチンを接種することが望まれる。私自身今回黄熱病ワクチンを接種して臨んだ)。

シックなデザインの客室

この素晴らしい宿に2連泊できないことが残念だが、明日のイグアスの滝を楽しみにしながら、就寝。